時代は第二次世界大戦、まだラジオが家族の情報の中心で娯楽だったころ。少年ジョーの一家とラジオパーソナリティに憧れるナイトクラブの娘のエピソードを中心に、古きよきアメリカのホノボノとした風景をスケッチした作品。
舞台は戦争中だが、当時のアメリカのハッピーな一面をサラリと救いあげたような映画で、ウディ・アレン監督の自伝的要素を含んでいると思われる。おそらく主人公のジョーに、アレンは自分の少年時代を投影しているのでは? 少年を通して見た、当時のアメリカの家族の姿や文化などがじつに興味深い。キャストはアレン映画の常連ミア・ファロー、ダイアン・ウィースト、ダイアン・キートンほか、ダニー・アイエロなど。アレン監督が肩の力を抜いて楽しんで作った作品。(斎藤 香)